Ubuntu日本語環境に強い助っ人Mozc(モズク)
hiroadmin | 2010年6月8日FEP〔ふぇっぷ〕とは、かな漢字変換システムのことである。
UbuntuではFEPとしてiBus、Anthyが有名であり、有料版でATOK X3がある。
Windowsからの移行でUbuntuを使用すると、文章中心にソフトを使用する人にとっては、どうもかな漢字変換システムの不満をぬぐえない。
Anthyのほうが詳細設定ができるなどで周りでは使用者が多いように思える。
しかし、Operaブラウザでは起動しないなどのバグや、変換効率は決して良くない。
現在では我慢できずに、ATOKを使用している。
Mozcは無料にこだわっている人にとって朗報である。
Googleからかな漢字変換システムMozc誕生
誕生と言っても、Windowsではすでに使われている。
もちろん無料で使用できる。
この度、Ubuntuでも実用的に使用できるようになっていた。今までは、単語登録ができないなどのうわさを聴いていた。
試しに、インストールしてみた。
変換効率テスト
最初の印象は、携帯の予測変換みたいに変換候補が出てくる。
そして、「きしゃのきしゃはきしゃできしゃした」を変換すると、「記者の記者は記者で記者下」。
品詞の区別がない。一度学習させてみると、「貴社の記者は汽車で帰社した」とご覧の通り。
学習機能はよさそうだ。
変換キーの設定はATOK、MS-IME、ことえり、カスタムから選択できる。
難しそうな住所の変換では、
(1)東京都千代田区数寄屋橋<すきやばし>
(2)三重県飯南町かゆみ〔正:三重県飯南町粥見<かゆみ>〕
(3)北海道岩見沢市幌向<ほろむい>
(4)北海道の爺爺岳 <ちゃちゃだけ>
(5)宮城県南郷町の虚空蔵島<こくぞうじま>
間違えたのは(2)だけだが、「粥見」の候補は3番目であった。
地名に強そうな印象。
ちなみにATOKはすべて一発変換された。
特徴的な点
気に入られるだろうと思われる点は、携帯みたいに予測変換が優れている。
一文字入力するごとに、予測変換候補が変わる。しかし、長い文章はでは過去に学習した単語を優先しているようだ。
Anthyの予測変換より格段に優れている。
短い区切りで変換をするには、今までのLinuxにはない心地よい変換だ。
Mozcは予測変換に優れているように思える。
単語登録できました
単語登録は、可能になっている。マイ辞書もいくつか作成可能で品詞を正確に登録すると、賢い辞書になるかもしれない。
もちろん、各辞書のインポート・エクスポート可能だ。
まだまだ開発途上
Googleが収集した大規模語彙データは入っていないなど、Mozcはまだまだ開発途上にあるらしい。
実際に、ChromというGoogleのOSが出るころには、現在よりもかなり改良されていることを期待する。
かな漢字変換システムに不満がある人はすぐに導入したほうがいい。
文章中心にUbuntuを使用している人は不満がかなりなくなる。
インストール&情報
インストール方法は、https://forums.ubuntulinux.jp/viewtopic.php?pid=61621を参照。
(中には、インストール方法に誤字があるため悩んでしまうHPもあります。)
また、他のサイトではパッケージ版を作成しているところもあります。
Mozcに関する情報は、http://code.google.com/p/mozc/ (英)。
上記のサイトからMozcはUbuntu 9.10と10.04に対応しているとのことだ。
まとめ
- Googleからかな漢字変換システムがでた。
- 変換効率は、今までのLinuxの中で格段によい。
- 地名変換もかなり良い。
- 予測変換が特徴と思われる。
- 単語登録は可能だ。
- Googleが収集した大規模語彙データは入っていないなど、これからに期待。
- Ubuntuでかな漢字変換システムに不満がある人はすぐに導入したほうがいい。